男性のための育休取得・完全マニュアル

男性のための育休取得・完全マニュアル

こんにちは、2人の娘がいるしおうめパパです。

長女・次女が産まれる際に、長期の育休をとりました。

この記事は、私の2回の育休取得経験を踏まえて「育休取得を検討している男性」と「パートナーに育休を取ってほしいプレママ」を対象にしています。

長文ですので、もくじから興味がある項目をお読み頂ければと思います。この記事が皆様の素晴らしい子育てライフのお手伝いができることを祈っています。

なお、本記事は完全マニュアルを謳っており、常に加筆修正を加えていきますので、ブックマークなどしていただけると嬉しいです。

育休の基礎知識

男性が育休を取得するために、まずは「育児休業とは何か」を見ていきましょう。

育休の定義

育児休業の定義

労働者が原則として1歳に満たない子を養育するためにする休業

つまり、原則1歳以降は取得できない制度。産まれる前から準備・計画しておかないといけないですね。

育休の対象者

「ウチの会社は男は育休取れないんだよ・・・」と思っている方、テストに出るのでノートの準備をしてくださいね。

育休が取得できる人は、「労働者(日々雇用を除く)」ということが育児・介護休法で定められています。

つまり法律で、労働者であれば条件を満たせば男女関係なく育休が取得できることが決まっているのです。

国の法律で決められた権利を、会社が規則などで剥奪することはできませんよね。

そして、育休の取得希望を申し出たら、会社に拒否権はありません。必ず、育休を取得させなければいけないのです。

育休対象外の可能性がある人

ただし条件があり、下記の人たちは労働者であっても育休の対象にならない可能性があります。

下に当てはまる人は、「労使協定」の内容によって対象外の場合があるので、会社に要確認です。

対象外の可能性がある人
  • 入社1年未満の社員
  • 申し出から1年以内に雇用期間が終了する人
  • 週2日以下の勤務の人

上記の「労使協定」というのは雇用者と労働者(の代表者)で働くための細則を決めた協定です。

この協定で「〇〇の条件に当てはまる社員は育休が取れないよ。」という取り決めをしていた場合は、その会社で育休は取れません。

一方で、労使協定を結んでいても育休の除外者を定めていなければ、上記に当てはまる人でも育休が取れます。

育休対象外の可能性がある人は、まずは会社に聞いてみてくださいね。

なお、労使協定を締結していない会社の場合、労働者(日雇い・契約を除く)は無条件で育休が取得できます。

契約社員の場合

契約社員の方は、下記の条件を確認してください

契約社員が育休取得条件
  • 入社1年以上
  • 子が1歳6ヶ月になる前に契約終了が確定していない

番外編:パートナーと二人で育休を取ることもできる

よくある勘違いの一つに、「妻と二人で育休はとれない」ということです。

これは間違いで、パパ・ママ揃って育休は取得することができます。

どちらかが働いていなければいけないというルールはありませんし、専業主婦の夫でも取得することはできます。

育休にパートナーの状況は関係ありません。

今や、4割が非正規労働者。男性の5人に1人は派遣労働者です。

「派遣社員だから育休が取れない」ということはありません。

男性の派遣社員でも育休は取得できますし、申し出があれば雇用主は断ることはできません。

男性の育休はいつから取得できる?開始日は?

男性の育休はいつから取得できるのでしょうか。

答えは「出産予定日以降」ですが、早く生まれた場合など例外もあります。

とある調査では予定日ぴったりに生まれてくる子は4.6%以下だそうです。

いつ生まれても慌てないように、パターンに分けて見ていきましょう。

予定日より出産が早まった場合

出産予定日より出産が早まった場合は、前倒しをして育休に入ることが可能です。

出産が早まった時の例

「出産予定日が9月20日なので、そこから育休とります」と会社に伝えたが9月10日に生まれた!
→9月10日から育休取得が可能となります。

僕の場合、次女の時は出産が予定より早くなりました

しおうめパパの体験談

出産予定日の5日前に次女が生まれました。もし早めに生まれたらサポートをして欲しいと祖父母に頼んであったので、僕はそのまま育休開始予定日まで働いていました。
事前に周りのサポートをお願いしておくことも大事ですね。

予定日より出産が遅れた場合

出産予定日より出産が遅くなった場合でも、出産予定日から育休に入ることが可能です。

出産が遅くなった時の例

「出産予定日が9月20日なので、そこから育休とります」と会社に伝えたが9月20日になっても生まれない!
→9月20日から育休取得が可能となります。

僕の場合、長女の時は出産が予定より遅くなりました

しおうめパパの体験談

出産予定日になっても長女は生まれませんでした。会社には、生まれなかった場合でも予定通りに育休に入ることを伝えてあったのでそのまま育休突入。
最後の夫婦ふたりのゆっくりした時間を過ごせたことや、余裕を持って育児グッズの最終確認・買い出しに行けたのは良かったと思います。

男性の育休はいつまでに、誰に伝える?

育休取得はいつまでに会社に伝えれば良い?

育児・介護休業法上では、育休の申し出は開始日の1ヶ月前までにすれば良いということになっています。

申し出というのは、口頭で申し出るのではなく書面やメールなど形に残して会社に提出しましょう。

会社によっては、育休取得計画を記入する専用のフォーマットがあるので、関連部署に相談してみましょう。

実際は1ヶ月前では遅すぎる

前項で1ヶ月前の申し出で良いと書きましたが、あくまでも法律上の期限であり、実務のことを考えると遅すぎる可能性大です。

なるべく早い報告を心がけて

職場環境や、育休の取得期間にもよりますが、不在時対応のための引き継ぎはしなければいけません。

育休をとると心に決めたら、なるべくはやめに然るべき人に相談・報告をしましょう。

僕の場合は出産予定日の半年前に上司に相談し、2ヶ月前から徐々に引き継ぎの調整をしていきました。

ただし、報告する時期はパートナーとよく相談してください。

人によっては「安定期」と呼ばれる妊娠5ヶ月を過ぎないと、親しい人以外には話したくない人もいます。

僕のおすすめは安定期過ぎてすぐの半年。安定期など気にしない人であれば妊娠がわかってすぐでも良いかもしれません。

日本の会社は男性の育休に不慣れ

もうひとつ、1ヶ月前の報告だと遅すぎる理由があります。

それは日本の会社が男性の育休に不慣れということです。(というか、ド素人です。)

僕の会社は、ハート模様がついた女性用の産休申請用紙しかありませんでした

女性であれば「妊娠報告=産休(育休)宣言」になるのですが、男性の場合はそうならないのです。

周囲の人にとって、男性のあなたが育休を取ることは青天の霹靂かもしれません。

場合によっては仕事内容や部署の構成が、男性が休まない前提で考えられている可能性があります。

男性の育休に不慣れな企業に勤めている場合は、1ヶ月前宣言では引き継ぎすらまともにできないでしょう。

はやめに育休宣言をすることによって、会社側も対応をとりやすくなるのです。

育休取得は誰に伝えれば良い?

育休を取得する!と心に決めたら会社に報告です。

誰に報告すべきかというのは会社によりけりだと思いますが、僕のおすすめは以下の通り。

育休取得の意志は誰に伝える?
  • 直属の上司(管理者)
  • 直接会える社員の中で一番偉い人
  • 育休に関わる手続きを行う部署の人(総務・人事)

上から順に報告優先度が高い人たちです。

直属の上司に報告

実務の調整があるので、まずは直属の上司に報告しましょう。

上司といっても、チームリーダーなどは会社に伝えたことになりません。

労使関係でいう「労働者」ではなく、「使用者」(管理職である部長や役員クラス)の人に伝えましょう。

会社によっては「課長」や「マネージャー」は肩書きだけで、労使関係上の「労働者」の場合もあるから気をつけよう。

エラい人に報告

男性の育休は女性の育休と比較すると、浸透しているとは言い難い状況です。

ボトムアップで「あいつ育休取るらしいよ」という噂が思っていない形でエラい人の耳に入る可能性があります。

直属の上司に相談が終わったら、なるべく早めに会社のキーパーソンには自分の口から報告しておくと良いでしょう。

総務・人事の人に報告

育休にはいると、大抵の場合は育休後の手続きは総務や人事の人が窓口になります。

育休後のやりとりをスムーズにするためにも早めに報告をしておくと良いでしょう。

会社で男性の育休が初めてという場合は、総務・人事の担当者自身が「男性の育休」について理解を深める時間が必要になります。

育休を取得できる期間は?

育休はどのくらいの期間取得できるのでしょうか?

育休の定義をおさらいすると「労働者が原則として1歳に満たない子を養育するためにする休業」です。

つまり、「子供が1歳になる日の前日」までが育休を取得できる期間です。

しかし、場合によってはその期間を超えて育休をとることができます。

育休可能期間が伸びるケース
  • 1歳の時点で保育園に入れなかった場合
  • 1歳半の時点で保育園に入れなかった場合
  • パパ・ママ両方が育休をとる場合

1歳の時点で保育園に入れなかった場合

1歳になっても保育園に入れなかった場合は1歳半までの育休延長が認められています。その際、育児休業給付金の支給も延長されます。

1歳半の時点で保育園に入れなかった場合

1歳半になっても保育園に入れなかった場合は2歳までの育休延長が認められています。その際、育児休業給付金の支給も延長されます。

ただし、2歳以降は育休を延長することができません。

そこまでにお子さんの預け先が見つからなかった場合は、会社と相談してその後を決めることになります。

パパ・ママ両方が育休をとる場合

パパ・ママの両方が育休をとる場合は、「パパママ育休プラス」という特例が適用されます。

パパ・ママ育休プラスの場合、子どもが1歳2ヶ月になる前日まで育休可能期間を延長することができます。

ただし、この場合パパ、ママが育休を取得できる最長の期間は1年なので気をつけてください。

つまり、パパママ育休プラスでも1年2ヶ月は休めないということ。少しややこしいですね。

コラム:保活ってなに?

保活とは、「保育園活動」の略。共働きの家庭で、育休後も働くことを望む人の多くは0歳児クラスでの4月一斉入園を目指します。学年が入れ替わる4月以外は基本的に保育園に入れないと思ってください。保育園活動の結果0歳児クラスに入れなかった場合、1歳児クラスの入園を目指すことになるのですが、0歳児よりも激戦です。なぜなら0歳児クラスから1歳児クラスに上がる子が大半で、1歳児の枠はほとんど残っていないから。だから「保育園活動」をして保育園に入るために血が滲むような努力が必要となるわけです。これ以上は長くなるのでここでは割愛しますが、育休を取ろうと考えているのであれば復帰のことはそれ以上に考えた方が良さそうです。

 

育休の助成金ってどうなってるの?

育休を取得すると、「育児休業給付金」というお金を受け取ることができます。

育児休業給付金については多くの方が誤解されているところでもあります。

しっかりと頭に入れておきましょう。

育休中の助成金「育児休業給付金」に関する基礎知識

育休中も会社から給料がるんだよね?

それは間違い。育休中は会社はあなたに給与を支払いません。

育児休業給付金の基礎知識

育休中は**雇用保険から育児休業給付金が支給**されます。有給休暇とは異なり、企業は育休取得者に一円も支払いません。貰える金額については育休半年まで給与額面の67%、それ以降は50%という決まりがあります。また、給付金は2ヶ月に1回まとめての支払いとなります。

それでは詳細を見ていきましょう。

育児休業給付金は雇用保険から支払われる

育休中の助成金は会社から出ていると勘違いしている人も多いですが、育児休業給付金は国の雇用保険から支払われます。

毎月の給与明細を見ていると「雇用保険料」というのが天引きされているというのがわかるかと思いますが、この保険料を原資にお金が支払われるのです。

余談ですが、この雇用保険料は育児休業給付金の他に、失業保険や介護休業給付など、継続して働きやすい環境をサポートする為のお金です。

会社がお金を負担しているのではなく、あなたが毎月払っていた「雇用保険」から支払われるのですね。

育児休業給付金の申請方法

育児休業給付金を受け取るには、勤務先の所在地管轄のハローワークに必要な書類を提出する必要があります。

必要な書類とは「育児休業給付金支給申請書」と「育児休業給付受給資格確認票」の二つです。

ただし、多くの場合は会社が代理でハローワークに手続きしてくれます。

育児休業給付金の金額の決め方

ここも勘違いが多いポイントですが、給与額面の67%が支払われます。手取りの67%でないことに注意しましょう。

細かい計算式もあるのですが、ここでは割愛しざっくり手取りの80%ぐらいが助成金として支払われると覚えておきましょう。

育児休業給付金の支払いタイミング

注意しなければならないのが、育児休業給付金は支払いがとても遅いということ。

仮に1月1日から育休取得を開始したら、振り込まれる目安は3月の末ごろです。

育休取得日から約3ヶ月弱は無収入状態であることを覚悟してください。

特に、家賃や住宅ローンの支払いがある方は、それも見越して育休を取得しないとギリギリの生活を強いられることになります。

育休の取得率ってどれくらいだろう?

2019年の厚生労働省の発表によると、2018年の男性育休取得はたったの「6.16%」でした。

しかもそのうちの半数近くが「5日以内」の育休取得となります。

一方である調査では働く男性のうち、育児休業を利用したかったが利用できなかった人は30%もいるそうです。

これは、男性が育休を取りづらい日本の会社の雰囲気や、育休に対する正しい知識の欠如。

そもそも男性に育休を取得するという選択肢があることすら知らない人もまだまだ大勢います。

日本は2020年までに育休の取得率を13%まで上げようと考えているそうですが、現状のままだと到底達成不可能な数値と思われます。

この記事をここまでお読みいただいた皆さまには、ぜひ勇気を出して育休を取得して欲しいと思います。